Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

お金のプロに相談。 【夫婦のお金相談室】100円からでもスタート可! 未来に差がつく投資作戦。

夫婦の老後に必要な貯金額は、最低3000万円ということを教えてもらった前回。次のステップは、ただ貯金するだけでなく、どうお金を運用していくか。ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんに伺いました。

お金の運用はもはや当たり前。

編集部 前回、投資を始める時期が早ければ早いほどお得になるとおっしゃっていました。その理由を詳しく知りたいです。

大竹 リスクがあるからと投資を避けている方もいますが、それはとてももったいないことなんです。例えば、複利運用で老後資金の3000万円を貯めようとした場合、同じ金利でも運用する期間の長短によって、積立総額にかなりの差がついてしまいます。

編集部 複利運用とは何ですか?

大竹 資産運用のひとつの方法で、投資で得た利益をさらに投資にまわすという運用方法です。こちらのデータをご覧ください。

【3000万円を貯めた場合の積立総額】(利回り3%で複利運用した場合)
30年運用した場合/積立総額:1837万円 運用益:1163万円
20年運用した場合/積立総額:2168万円 運用益:832万円
10年運用した場合/積立総額:2541万円 運用益:459万円

大竹 これは、運用期間別の積立総額の違いを表したデータです。例えば、65歳まで働くとしますよね。その場合、35歳から運用を始めるのと、45歳、55歳から始めるのとでは、必要となる元本にかなりの差が生じるんです。その差、約700万円にもなるんですよ。

編集部 こんなに差がつくとは、正直驚きです。

大竹 いきなりは難しいかもしれませんが、少しずつ積み立てていけば、長い目で考えるとかなりお得なんです。

【65歳までに3000万円を貯めるために必要な毎月の積立額】(利回り3%で複利運用した場合)
35歳からスタートした場合/毎月約5.1万円
45歳からスタートした場合/毎月約9万円
55歳からスタートした場合/毎月21.2万円

大竹 ちなみに、こちらのデータもご覧ください。35歳から投資をスタートしたら月々約5万円で、老後の資金のベースの3000万円が貯まるというわけです。まさに、時間を味方につけた積立てですね。

編集部 夫婦で月々5万円なら、なんだか頑張れそうな気もしてきました。

夫婦のお金の仕組みを作ることが大切。

大竹 とはいえ、必ずしもこの金額を投資にまわさないといけないということではありません。出産や子育て、住宅購入など、夫婦だからこそのライフイベントで、急にお金が必要になることってありますよね。例えば、老後の資金作りとして人気の個人年金の「iDeCo(イデコ)」も一種の投資。でも、「iDeCo」は掛け金が60歳からでないと引き出せないシステムです。絶対に老後にしか引き出さないと決めて、ないものとして暮らすお金なら問題ありませんが、もしものときに使いたいお金を投資にまわす場合は別の方法を選ぶ必要があります。

編集部 なるほど、ひとつだけに絞った投資はある意味リスクなんですね。

大竹 はい、そのためにも夫婦でお金の仕組みを作ることが大切です。一般的に、貯金の目安は毎月の収入の2割。そのうちの半分を投資にまわすといいでしょう。例えば、月に5万円の貯金ができる夫婦の場合。2万円をすぐに引き出せる貯金として、2万円を投資に、1万円を年金保険に当てるというように、夫婦なりの決まりを作りましょう。

編集部 あの、ズバリ聞きたいのですが、初心者におすすめの投資ってありますか?

大竹 それなら投資信託がおすすめです。それも、どうせなら「つみたてNISA(ニーサ)」を活用するといいかもしれません。金融庁の基準をクリアしている投資信託だけが買えるので、安心感がありますよね。投資で得た利益には通常税金がかかりますが、「つみたてNISA」は運用利益に対して税金がかからないというのも魅力です。また、いつでも売却できるので、急にお金が必要になったときにも積み立てていたお金が引き出せて安心。投資信託は、基本的に長期保有が前提なので、メンテナンスがほとんどいらないというのも初心者向きなんです。もちろんそれ以外にも、株、不動産など、投資には色々な種類があるので、夫婦に合ったものを選んでください。

編集部 今の時代、お金を増やすための投資は重要ということは理解しました。でも、自分が投資に向いているのか、どうも不安です。

大竹 株などの投資って男性が得意というイメージがあると思うのですが、そんなことはありません。流行に敏感で、常にアンテナを張っている女性は、投資に有利なんですよ。例えば、次にヒットしそうなものがわかったら、その会社に投資してみようと考えることができますよね。あと、最近はAIが過去のデータを元に選んでくれる投資もありますが、せっかくなら自分で選びたいところです。

編集部 こんな風に投資で資金を増やせるのなら、もはや公的年金にあてているお金も投資にまわしたくなってきました。

大竹 それは危険な考え方! 確かに、将来いくらもらえるかわからないという不安もありますが、公的年金にもメリットはあるんです。

編集部 そのメリット、ぜひ教えてください!(つづく)

公的年金なんてあてにならない。そう考えている人も多いかもしれません。けれど、公的年金にもメリットがあったのです。次回のお金相談室は、夫婦の年金プランについてご紹介します。

大竹のり子さん
ファイナンシャルプランナー。女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」代表取締役。ファイナンシャルアカデミー取締役。一般社団法人「金融学習協会」理事。著書に、『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)、『幸せになれるお金の使いかた』(ダイヤモンド社)などがある。