Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

お金のプロに学ぶ。 【夫婦のお金相談室】期待できないは嘘? 30歳夫婦の年金プラン。

今の時代、自分でお金を増やすための運用は当たり前と学んだ前回。となれば、使えるお金すべてを運用にまわしたいという欲が湧いてきますが、ファイナンシャルプランナー大竹さんからはストップが。軽視しがちなその公的年金は、夫婦の老後を支える大切なお金でした。夫婦のお金相談室の最後は、公的年金について学びます。

いつまでも毎月一定額。実はすごい制度。

編集部 勝手ながら、もらえる額が少なくなるなら、公的年金は支払わなくてもいいのではと考えたことがあります。

大竹 受給開始年齢の引き上げだったり、実際いくら支給されるのかわからないという不安は確かにありますよね。でも、それを理由に支払わないのは間違いです。公的年金のメリットは、いつまでも安定した収入になるという点です。

編集部 というと?

大竹 どんなに長生きしたとしても、毎月一定額がエンドレスに支給される公的年金って、よく考えたら素晴らしい制度なんですよ。貯金の回で、人生100年時代の話になりましたが、これからの時代、もしかすると100歳どころか、それ以上に長生きする可能性がありますよね。個人の貯金には限りがありますが、そういう場合でもずっと一定の収入があるだけで安心できるはずです。

編集部 確かに、せっかく頑張って貯めた老後資金がどんどん減っていくことを考えると、恐ろしいです。そんなとき、毎月もらえる公的年金はありがたい制度ですね。

大竹 とはいえ、繰り返しになりますが、30代などの若い世代が一体いくらもらえるのかはまだわかりません。公的年金があるからといって、老後資金の対策をしないというのは間違っています。前回の投資のお話の際に、「iDeCo」の話をしたのを覚えていますか?

編集部 じぶん年金のひとつですね!

大竹 そうです。「iDeCo」は途中で掛け金が引き出せないのが難点というお話をしましたが、絶対に老後しか使わないと決めたお金があるならおすすめの制度です。掛け金が所得控除の対象になりますから。

編集部 あの、、、具体的に公的年金と何が違うのでしょうか?

大竹 「iDeCo」では、定期預金、保険、投資信託から選んで、毎月決めた掛け金を運用します。そして、60歳以降に受け取ることができるという老後の資金作りのために誕生した制度です。年金形式でもらうのか、それとも一時金形式でもらうのかを選ぶこともできます。とはいえもらえる期間には限りがあります。

編集部 そう考えると、公的年金にプラスして、余裕があれば「iDeCo」のような制度にも加入するのが得策なんですね。

お金はバランスが命。

大竹 貯金だけ、投資だけ、年金だけではなく、それぞれのいいところを活かしながら対策するのが、今の時代に合ったお金の考え方です。そこでおすすめしたいのが、夫婦で行う家計会議です。ぜひ、二人のお金に対する考え方を擦り合わせてみてください。仕事柄、さまざまな人のお金の相談を受けますが、お金の価値観が合っている夫婦は、仲もいい傾向にあると思います。

編集部 夫婦のお金事情が、夫婦仲にも影響するということですか?

大竹 はい。よく耳にする離婚理由のひとつに、性格の不一致がありますよね。そこには、お金の価値観の違いも含まれていると私は思っています。実際に、結婚をしてから相手のお金の価値観を知ったという夫婦も多いんです。人生のどこにお金をかけたいかは人それぞれですので、その違いから違和感が生じてくることもありますし、相手に借金があったと結婚後に知るというケースも。また、病気などで急に物入りになったときに、相手がまったく貯金をしていなかったとわかったり。結婚前にお金の話をするのは憚られると感じるかもしれませんが、実はとても大切なことなんですよ。

編集部 私は結婚3年になりますが、恥ずかしながら、お互いの年収や貯金額を確認したこともなければ、共有のお金に関しても話し合ってきませんでした。あの、今からでも間に合いますか?

大竹 もちろんです! お金のことって難しそうとか、面倒に感じるかもしれませんが、少しでも早くから対策することが大切なんです。だって、老後までお金の心配をし続けながら暮らすより、いましっかり対策して心配事を減らして暮らす方が、人生が楽しいと思いませんか?

編集部 そう聞くと、夫婦でお金について話してみようという気になりますね。ありがとうございました!

3回に渡ってお送りした夫婦のお金の相談室、いかがでしたか? 普段からお金について会話をしているという夫婦もいれば、お互いに何を考えているのかわからないという夫婦もいるはずです。今回学んだように、少しでも早くからお金について考えて行動することで、将来への不安も減るし、しかもお得なこともわかりました。今度夫婦でゆっくり時間を過ごすなら、思い切って家計会議を開いてみてください。きっと夫婦の絆も深まるはずです。

大竹のり子さん
ファイナンシャルプランナー。女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」代表取締役。ファイナンシャルアカデミー取締役。一般社団法人「金融学習協会」理事。著書に、『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)、『幸せになれるお金の使いかた』(ダイヤモンド社)などがある。