Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

お金のプロに学ぶ。 【夫婦のお金相談室】定年までにいくら貯めれば安心できますか?

貯金に年金、投資などなど。何歳になってもお金にまつわる悩みはつきません。夫婦にとっても、きちんと話し合うべき重要なテーマですよね。そこで、ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんに、夫婦の気になるお金問題について質問。全3回でお届けする初回は、定年までに必要な貯金額についてお聞きしました。

3000万円は最低限のボーダーライン。

編集部 まずお聞きしたいのは、夫婦の老後資金について。私たちは老後までに一体いくら貯めればいいのでしょうか?

大竹 一般的には、夫婦につき3000万円と言われています。けれど、これは3000万円あれば老後がずっと安泰ということではないんです。これが必要最低限の金額だと捉えるべきです。

編集部 3000万円と聞いてもハードルが高いと感じるのに…。

大竹 最近では、〝人生100年時代〟と表現しますよね。それから考えると、定年してからの人生は30〜40年もあるということ。この3000万円という老後資金は、公的年金やなどではまかなえない支出をカバーするための最低限の貯金です。例えば、バリバリ働いているときの生活の質を、老後でも落としたくないと考えるのなら、貯金額はもっと高く設定しないといけません。

編集部 老後にどんな生活を送りたいかで、目標貯金額も変えるべきなんですね。とはいえ、お金の管理が得意な人もいれば、苦手意識を持っている人も多いはずです。最近の夫婦は、お金の管理をどうしているのでしょうか?

大竹 家計の管理方法は、大きく3つのタイプに分かれます。1つ目はそれぞれの収入は別財布として考えているタイプ。例えば、家賃と光熱費は夫、食費は妻といった具合に、生活費の分担を分けている夫婦です。2つ目は、お互いの収入をひとくくりにする共有財布タイプ。一旦家計に全額入れて、お互いにおこづかい制にしている夫婦ですね。3つ目に、一部だけ夫婦の共有財布に入れ、残りの収入は個人で管理するタイプ。最近増えてきているのがこの3つ目のタイプです。

編集部 我が家も、毎月決まった額を家計に入れて、他は自分で管理しています。これは、共働き夫婦が増えているというのも関係するのでしょうか?

大竹 働く女性が増えたというのが大きいでしょうね。この管理のメリットは、家計の貯蓄と自分のための貯蓄が両方できることです。

編集部 夫婦の共同貯金だけで安心してはいけないということですか?

大竹 はい。人生は予想外のことが起こるものだからこそ、備えが大切なんです。例えば、親の介護費用が必要になったとき。夫婦の貯金から出すのか、個人の貯金から出すのか、かなりナイーブな問題ですよね。いざというときに揉めないためにも、個人の貯金はあるに越したことはありません。あと、やっぱり自由にできるお金があるのとないのとでは、気持ち的にも違いますよね。

編集部 確かに。気持ちにも余裕が持てそうですね。

毎月の収入の2割を目標に。

編集部 質問なのですが、毎月の貯金額はどのように算出すればいいのでしょうか?

大竹 目安は、手取りの2割です。貯金が苦手という人は、まずは考え方を変えてみましょう。家計の余ったお金を貯金に回すという考えではなく、給料が入った時点でまず毎月の貯金額を抜いてみてください。こうやって「先取り貯金」をしていけば、きちんと貯金ができるようになります。

編集部 なるほど。給料が入ったらまず貯金ですね。

大竹 慣れるまではできる範囲で大丈夫です。「先取り貯金」のクセをつけることが大切です。

編集部 貯金ができて余裕が出てきたら、投資にも興味が湧いてきます。

大竹 ぜひ! しかも、早くから対策すればするほどお得なんですよ。

編集部 えぇ!? それはどういうことですか?

大竹 貯金をしようと考えたとき、金利の低い銀行で眠らせておくよりは、今の時代、投資などで上手に運用したいと考えますよね。そうやって老後資金の3000万円を貯めようとした場合、例えば3%で運用すると、30歳から始めるのと、50歳から始めるのとでは、積み立てるべき元本に約700万円もの差が生じるんですよ。

編集部 えぇ! そんなに違いが! 単純に口座に貯金をすればいいというものではないのですね。その投資の秘密、ぜひ教えてください!(次回へ続く)

今回の夫婦のお金相談室はここまで。次回は、700万円もの差が出るというお金の運用方法について、大竹さんにさらに詳しく教えていただきます。次回もお楽しみに。

大竹のり子さん
ファイナンシャルプランナー。女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」代表取締役。ファイナンシャルアカデミー取締役。一般社団法人「金融学習協会」理事。著書に、『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)、『幸せになれるお金の使いかた』(ダイヤモンド社)などがある。