Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

たまには二人でレストラン【番外編】 二人の距離を縮めるための、4つのお約束

多くの美食家を虜にする肉料理を提供するレストラン「カルネヤ」「カルネヤサノマンズ」のオーナーシェフであり、3人のお子さんがいるパパでもある高山いさ己シェフ。多くのパートナーを見続けてきたシェフに、自身の経験も踏まえ、夫婦がかけがえのない時をすごすためのレストラン選びや過ごし方について、教えていただきました。

カウンター席を選ぶ

子どもができると、夫婦ふたりで食事をする機会はぐっと減りますよね。子どもを預けて出かけるのはなかなかハードルが高いし、久々に夫婦ふたりで過ごす時間も緊張します(笑)。でも、せっかく夫婦水入らずの時間を過ごすなら、いい思い出を作りつつ、絆を深めたいもの。それには、レストラン選びがとても重要になってきます。

まず、僕が推奨するのがカウンターのある店で、隣に並んで座るスタイル。子ども抜きでいきなり正面だとちょっと構えてしまうけど、横並びなら気にならないはず。メニューを選び、出てきた料理を食べながら、感想を口にして会話をする。もし、沈黙が生まれたら料理人の手仕事を見ていればいいですし。カウンターで並んで一緒に食事をしていると、夫婦で同じ方向を見て歩んできた実感が湧いて、なんだかほっとするような、夫婦でしか味わえない安心感が生まれるんです。さらに、カウンターだと、夫婦とスタッフのトライアングルが出来て、リラックスしながらその場を楽しめるのもいいですね。

コースよりも、アラカルト

料理選びですが、コース料理よりアラカルトがいいですね。もしこれが独身のカップルの場合なら、相手のことを探りながらコミュニケーションを取っている段階ですので、黙っていても出てくるコース料理がおすすめです。ただ、お互いのことを知り尽くしている夫婦の場合、取り分けるスタイルの料理のほうが、食べる量とタイミングをこちらで調整できるので、夫婦のペースにマッチさせやすいんです。食べ終えるタイミングも同じにできるので、お店側も次のサービスがしやすいというメリットもあります。

お酒は「ほどほど」にセーブ

お酒は飲みたいけれど、飲みすぎてしまうと帰宅後即寝・・・、なんてことになってしまい、ふたりの縮まった距離が台無しになることも。そこで、僕は食前酒をいただく前にナチュラルウォーターを2人で頼むようにしています。それで喉を潤しつつ、一杯で前菜や主菜まで対応できるロゼワインやロゼシャンパンなんかをよく頼みます。飲み口も良いですし、柔らかい酔いが自然と会話を弾ませてくれるはずです。ほどよいアルコールは、普段は直接言いづらいことも伝える手助けもしてくれます。ただし、理性を失わないように「ほどほど」にセーブしておくのが鉄則です。

相手を褒めるポイントを考えておく

夫婦になると、お互いを褒める機会って激減しますよね。急に会話の途中で褒めようと思っても、なかなか思いつかないものなので、事前に相手を褒められるポイントを考えておいておくのも大切です。
普段何気なく相手が気を遣ってくれてることに対して、「いつもありがとう」「あなたのおかげで、家族が幸せ」みたいな感謝の言葉でも、「その服、似合ってるね」「今の髪型、けっこう好み」みたいな、その日の変化を伝えるだけでも嬉しくなるし、恋人同士だった時間がよみがえってきたりするもの。

ぜひ、レストランでの時間を味方に、夫婦の絆を温め直してもらえればいいなと思います。

高山いさ己
浅草の老舗焼き肉店の次男として生まれ、18歳で料理の道に入る。西麻布「シェパヴォーブラン」を皮切りに、代官山「リストランテ・ラ・トスカーナ」、日本橋「コルレオーネ」にてシェフを務める。イタリアでの修行を経て、2007年、オーナーシェフとして神楽坂に「カルネヤ」を、2015年には西麻布に「カルネヤサノマンズ」、2017年に日本橋にて「sisi煮干啖(ししにぼたん)」をオープン。

写真〇青木加代子