Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

部屋を整えたら、夫婦仲は良くなるの? ライフオーガナイザー・Akiさんインタビュー【前編】

家事をしない夫に、「洗濯物たたむくらい、手伝ってよ!」。たまに手伝ってくれたかと思えば「どうして、もっとちゃんとできないの〜!」と、またイライラ。夫は夫で、「せっかくやったのに!」。これでは夫婦円満とはいきません。

最近、夫と言い合いになったのは何が原因ですか? 多くの人が経験しているのが、家事が火種の喧嘩です。そう、住まいのコンディションと、夫婦の関係って、実は大きく関わっているんです。家事がうまくまわり、部屋がきれいに片付いていると、不思議と心が落ち着き、夫婦関係も良好になりそうです。

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住まいを快適に整え、妻も夫もごきげんに過ごしたい。
そんな夫婦円満になれる住まいのアイデアを、ブログ『Living Small』を主宰し、ライフオーガナイザーとして活躍するAkiさんにうかがいました。

住まいの良さは、広さじゃない! 家族3人、50㎡の暮らし。

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外資系企業のマネージャーとして働くAkiさんは、小学1年生の男の子のママでもあります。結婚して12年になる夫とは、家事をめぐってもめることは全くと言っていいほどないとか。

さて、その住まいを拝見すると、3人住まいだとは思えないほどすっきり! さらに驚くのは、ここが1LDK、約50㎡のマンションだということです。つまり、生活スペースのメインはこのリビング。あとは家族の寝室のみです。

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「どっちがやる?」より、「どっちもやらない!」

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Akiさんのすっきりと整った暮らしは、どうやって保たれているのでしょうか?

朝早く起きて洗濯をし、お日様の下に干す。毎日、こまめに掃除機をかけたり、食器を洗ったり。専業主婦の母親のもとで育ったこともあり、ひとり暮らし時ののAkiさんは、そんな生活が自然と身についていたといいます。

「でも、夫は毎日洗濯をしなかったり、部屋が多少散らかっていても気にならないのんびりタイプ。だから新婚時代は、『どうして私ばっかり』『もっと配慮してくれたらいいのに』と感じたこともありました」

そんな暮らしをガラリと変えるきっかけとなったのが、一台のお掃除ロボットです。

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お掃除ロボットは、キッチンのメタルラックの下が定位置。

「メカ好きの夫が、話題だからと買ってきたんです。当時はまだ出始めで、値段も高額。なんでこんなもの? もったいない!って思いました(笑)。でも、実際に使ってみたらすごく便利で。どちらかが掃除機をかけなくても、朝は一緒にゆっくり過ごして、出かける前にスイッチを入れたら帰宅後はきれいになっています。『どちらか』がやらなくていい、『お互いに』ラクになれる方法があるんだ、と気がつきました」

誰が洗っても、きちんときれいに洗える食洗機。

食洗機も、リフォームの際に思い切って大容量タイプを導入。家族3人分の食器とボウルやレードルなどの調理器具、さらには鍋2〜3個もまとめて入るサイズにしたことで、食後も家族でゆったりくつろげる時間が生まれたそうです。

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Akiさんが使っているのは、奥まで中が見渡しやすいフロントオープンタイプ。ミーレの幅45センチタイプを選んだそう。

「初期投資は必要ですが、耐用年数までの約10年、毎日最低でも2回は使うことを考えたら、費用は月に一度、家族でファミレスに行くぐらいの値段です。わが家は、家事を手放せるほうのメリットを選びました。
お椀やお箸、プラスチックの保存容器なども食洗機OKのものを選び、誰が使ってもスムーズにできるよう、もの選びの段階から工夫しています」

なるほど、これなら夫がうっかり食洗機にかけて食器が変形した!というトラブルも防げそうですね。

夫婦別々の洗濯が、仲良くできるコツ!?

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Akiさんと夫、実は洗濯をするのはお互い別々なのだそう。

「以前は一緒に洗っていたのですが、『なんで数日分ためちゃうの!?』『あ、この素材も一緒に洗っちゃったんだ……』ということがときどきあって(笑)、それならお互いにバラバラの方がやりやすいね、という結論になりました。
子どもの分は、タイミングが合う方が一緒に洗います。私の方が先に帰宅するので、夜、子どもとお風呂に入っている間に洗ってしまうことが多いですね」

夫が自ら洗濯がしやすいよう、システムを整えているのはAkiさんの役目。

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IKEAのVARIERA(ヴァリエラ)を使って、家族それぞれの下着収納に。きちんとたたみたいAkiさんに対し、夫はそのまま投げ入れるだけですが、ここに入ってさえいれば気にしません。これも、それぞれが気持ち良く過ごせるルールです。

「洗う、干す、しまうが一か所で完結できるようにしています。
洗濯機があるのは脱衣所なので、乾いた下着類はそのまましまえるよう、脱衣所内の収納棚の中に、引き出しをセット。夫はたたむのが苦手なので、ジャンル別に投げ込むだけの簡単収納です。
脱衣所は、ウォークインクローゼットと隣接しているので、浴室乾燥にかけていたものは、ハンガーごと移動させるだけ、これも手間がかかりません」

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クローゼットの中は、オンシーズンの洋服だけ。預かりサービスつきのクリーニングに出すことで、シミ抜きや毛玉、保管状態の配慮など、面倒なお手入れや気がかりを一気に手放しています。「お金をかけて保管して、来年も着る?」と、衣類を見直す目安にもなるそう。
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洗濯物はカゴを2個用意して、夫と妻とで分けている。

「私は昔、洗濯は朝に洗って外に干すのが当たり前でした。夜に干して朝に取り込むなんて、私の母が聞いたら怒られちゃうかも(笑)。
ていねいに食器を手で洗ったり、洗濯物を干したりすることで家事のモチベーションがあがったり、気分よく過ごせる人もいると思うんです。
家事って自分たちがスムーズに、心地よく暮らすことがゴールなので、親がやっていたスタイルでやることが必ずしも大切というわけではなく、自分たちがご機嫌でいられる方法を見つけられたらいいですよね」

続く後編では、夫婦のコミュニケーションの取り方や情報共有の仕方などについてうかがいます。

Akiさん
ライフオーガナイザー。外資系企業のマネージャーのかたわら、ライフオーガナイザーとしてセミナーやブログを通じて、シンプルでムダのない暮らしを提案している。著書に『家事を手放してシンプルに暮らす』(ワニブックス刊)。ブログ『Living Small』。

写真・村上未知 取材、文・藤田あかり