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世界の夫婦事情を調査。 「夫婦」「母」としての理想形!? 台湾人男性が妻を大切にする理由【後編】。

空前の台湾ブームとともに、多くの日本人女子から注目される台湾男性。台湾ドラマを見た人なら納得すると思いますが、確かにジェントルマンで優しそう! そこで、前編では、台湾人男性と結婚した現地ライターの近藤弥生子さんにご主人との出会いや、台湾人男性の優しいエピソードを伺いました。後半では、さらなる実情をインタビューします。

子育ては、家族全員で関わるのが普通。

安田 台湾人男性は、結婚後もずっと、妻を女として見続けてくれるイメージですが、いかがでしょうか。

近藤 それも人によるので、必ずしもそうとは限りません。離婚率も日本より高いですし、不倫もかなりよく見かけます。

安田 それはかなり意外です。

近藤 男性が女性に優しい分、そういうリスクもありますね。ただ、確かに結婚している間は夫婦仲がいいカップルが多いです。日本の場合はまだまだ「夫よりも自分のことよりも、何よりも子どもを愛するのが母親」といった概念があると思いますが、台湾は共働き社会なのと、子どもはその家の跡取り、財産という見方が強いので、必然的に「育児も家事も、みんなでするもの」という概念があります。だから、妻を「母親だから」という見方ではなく、ひとりの「女性」として見ている感じはしますね。

安田 その考えは、妻としても母としてもとても理想的です。

近藤 とくに台北はシッター制度も整っていて、シッター費用は政府の補助も受けられるので、私もふたり目は産後55日目からシッターに預けて働き始めました。
住み込みや、週に何回か来てもらうような形など、家政婦さんを雇う習慣もあります。日本と比較すると、女性が働きに出ることが当たり前という環境が、母親になった女性たちの負担を減らしてくれている感じもあります。

安田 働く身としては、そのような制度は本当に羨ましいです。

近藤 子どもが大きくなってからも、幼稚園や小学校の送り迎えはおじいちゃんおばあちゃんに任せて、そのまま夜ご飯やお風呂まで入れてもらい、仕事が終わったら子どもを迎えに行くついでに両親も食事やお風呂を済ませ、自宅に帰ったら寝るだけ、という家族も多いです。

安田 家族で育てるという意識があってこそですね。

台湾の書店は子ども連れも歓迎
台湾の書店は子供連れも歓迎。

夫婦デートは当たり前のこと。

近藤 私の友人は、平日週5で子どもを実家に預けていて、自分たちが子どもと過ごすのは週末だけ、という人も多くいます。彼女たちは、平日は独身時代のように過ごし、夫婦でデートしたり、友人とカラオケや食事に行ったりと楽しんでいます。そのぶん、週末にはたっぷりと子どもを可愛がっています。日本だと後ろ指をさされそうですが、台湾では特別のことではなく、普通のことなんです。

安田 それだと、夫婦二人の時間も自然に作れるから、夫婦の距離も近くなりそうですね。

近藤 それはありますね。子育てを二人で擦り切れそうになりながらすることもない、精神的にも金銭的にも余裕がある状態なので、夫婦の関係も良好のまま続けられるのかなとも思います。

安田 心とお金に余裕があれば、子育てもストレスなく楽しめそうです。

近藤 日本は、まだ社会で女性が子供や家庭に関して、割合的に見て多く負担をするのが当たり前のように見受けられます。台湾の場合は、家庭にもよりますが、我が家の場合はかなりその概念がなくて、「できる人ができることをやる」という感じです。

安田 まさに、チームワークですね!

近藤 そうなんです。欠点を探すのではなく、欠点をカバーして二人で行きていく、という台湾人の夫婦像はとても素敵だと思います。

安田 ちなみに、近藤さんのご夫婦は子育て分担などどうされていますか?

近藤 「できる方がやる」というのが我が家のポリシーです。私は料理が苦手なので、料理はほとんど夫が担当してくれています。生後9カ月になる赤ちゃんの離乳食も含めです。
また、私は時折日本出張が入るのですが、そういう時には夫が必然的に一人で二人の世話や家事などをすべてすることになるにも関わらず、「僕がここを守るから、出張がんばって!」と言ってくれます。

安田 そんな素敵な夫がいたら、なんでも頑張れそう(笑)

レディーファーストがひとつの文化。

近藤 また、私の友人の家庭では、料理は奥さん、洗濯物は旦那さん、というように役割分担がしっかりしてあることも多いです。友人たちとご飯やピクニックに行くと、たいてい女性陣はおしゃべりをしていて、子どもたちを見るのは旦那さんたち、というのが普通です。男性陣も男同士ならではの会話をしたり、ゲームをしたり、身体を動かして楽しそうですよ。ただ、日本にもこういった協力的な男性もいるような気がしていますが、どうですか?

安田 もちろん、イクメンと呼ばれる男性はたくさんいますし、最近は協力的なパパが増えているのではないでしょうか。パパ友同士で飲みに行くと言う話もよく聞きますし。ただ、これも個人差はありますね。ちなみに、台湾人男性の良い所をたくさんお聞きしましたが、近藤さんから見た日本人男性の良い所もお聞きしたいです。

近藤 日本人男性はきれい好きなイメージがあります。身だしなみだけではなく、自宅の水回りなども、とてもきれいにされますよね。台湾人男性は包容力が高く、そのままの自然体を受け入れてくれる傾向がある一方、だらしないところはあるかなと思います。

安田 それを聞くと、だらしなくても包容力のある台湾人男性に惹かれてしまいますが(笑)。

近藤 細かいことを気にしない、スルー能力の高さは台湾人の素晴らしい特徴だと思うので、すっぴんでデートに行っても全然OKだそうですよ。あと、台湾の男性はやはりジェントルマンが多いと思います。ドアを開けてくれたり、荷物を持ってくれたり。恋人関係に関係なく優しくて、逆に女性の方が強いイメージがあります。

安田 やっぱり噂通りなんですね。

近藤 これも、女性には優しくするという子供のころからの習慣によるものみたいです。

安田 今から夫にジェントルマンになってもらうのは難しいですが、遠慮せずに周りに助けてもらう、という考え方はとても見習いたいです。

近藤 そうなんです。台湾に来て、日本ではひとりで頑張っている妻やママが多いことを実感しました。周りに頼っていもいいんだよ、ということは声を大にして伝えたいです。

台湾人の友人が長男を遊びに連れ出し2
台湾人の友人が長男を遊びに連れ出してくれたりも。

近藤さんのお話をお聞きして、台湾人男性のジェントル気質がうらやましいと思いつつ、「子育てはみんなでするもの」という社会的背景が素晴らしいと感じました。実際に私も家族で台湾に行ったときに、レストランでも電車でも、大人が子どもに向ける目線がとてもやさしいことに感動しました。良い所は見習って、ママに負担の少ない子育てが出来れば理想。そして、その余裕が夫婦仲の良さにつながるのだと感じました。

近藤弥生子さん
草月藤編集有限公司(So Getsu To Editing Co., Ltd.)主宰。
1980年福岡生まれ。2011年より台湾台北在住。現地のデジタルマーケティング企業勤務を経て、2019年3月に草月藤編集有限公司を設立。日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作ディレクションを行う。ライター、編集としても活動中。
プライベートでは二児の母。台湾での出産・育児、シングルマザー・再婚経験や台湾での生活を綴ったブログ「心跳台灣」を運営。雑誌「&Premium」内のコラム「&Taipei」を担当。
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