Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

仕事も家庭も全力で楽しむ夫にインタビュー。 Rethink仕事と家族vol.1「夫が意識改革をして子育てや家事に参加すれば、妻の人生がより豊かに」

仕事をバリバリこなしながら、子育てや家事にも積極的に参加するパパの集団「NPO法人スーパーダディ協会」(略してSDA=SUPER DADDY ASSOCIATION)。現在、コアメンバー約60名のメンバー(FBいいねメンバー1672名)が交流を深めながら、仕事と子育てをいかに両立するかを共に考え活動されています。「ダディが花を選ぶ日常」を目指し、テーマに合わせた花束やスワッグを家族に向けて作る『スーパーダディ花塾』や、夫婦喧嘩をテーマにパパとママが思いをぶつけ合う『フウフゲンカシンポジウム』といったオリジナルイベントも開催し、話題に。TBSテレビのプロデューサーとして多忙な日々を送りながら「仕事当然家事育児!(しごととうぜんかじいくじ)」をモットーに、仕事、子育て、家事の完全三立に全力を注ぐSDA理事長の髙橋一晃さんに、仕事と家族について聞いてみました。

家事と育児にも最善を尽くすダディに。

夫婦共働きが当たり前になりつつある昨今。夫婦のあり方も多様化しています。そんな中、夫も家事、子育てを前向きに頑張ろうと「スーパーダディ協会」を設立した髙橋さん。設立のきっかけとなったのは、妻の一言だったそう。

「“ママ友の集まりはあるけど、仕事をしながら育児もするパパの集まりはないから作ってみたら?”と妻に言われたんですよ。それで、飲み友達に声をかけてみたら、意外とみんな子どもがいることがわかったんですよね。男って子どもがいることをあえて言わなかったりするんですけど、話してみると、今度受験するとか、オムツ替えが難しい、とか。子どもに関して色々と考えていることがあることがわかりました」

さらに、髙橋さんにはこんな思いも。

「妻の人生も僕がプロデュースしなければいけない、そういう思いもずっとあったんです。妻の時間を作るには、やっぱり夫が意識改革をして、子育てや家事に参加しなくてはいけない。あとSDAの意義的なことでいうと、日本の少子化が進む中、少数のままでもいいから、子どもを妻に任せきりにせず、パパも最善を尽くして、世界に通用する子どもに育てていければいいんじゃないかなと思うんです。だから男性も育児、家事をガンガンしましょうぜと。それによって妻も働けるし、子供もバランスの取れた人になるんじゃないでしょうか。日本の男性はそういう意識が低すぎるので、僕みたいなチャラめの男たちが(笑)、SDAで活動しながら現場感で楽しんでいるのを見せていくのが良いのかなと思っています」

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子育ては仕事にも役立つ。

髙橋さんは2017年、子育てを仕事に活かすことを提案する著書『スーパーダディビジネスマンの勧め』を出版。実際に子育てを一生懸命していく中で、子育てが仕事に良い影響を与えることに気がついたのだそう。

「一番感じるのは、上司としての振る舞いですね。新入社員はまだ仕事がわからなくて当然。誰だってミスをしますよね。子供もそう。以前は頭ごなしに叱っていた自分がいたんですけど、泣いている子供を叱らずに泣き止ませるにはどうすればいいか考えながら子育てしていたら、仕事の部下に対しても同じように考えられるようになったんです。あと、今は子供も10歳なので大丈夫ですけど、5歳くらいまでの時は、注意力散漫で危ないから、絶えず目配りしてたんですよね。そうしたら会社でも部下のことをさりげなく見るのが癖になってしまって。まわりのスタッフとか部下の変化にすごく気がつきやすくなったというのはありますね。気づいたらすぐ“元気ないけどどうしたの?”って声をかけたりしています」

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高橋さんの著書『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』。iPadケースに貼ってあるヒゲのステッカーはSDAのマーク。

スーパーダディこそ朝活を!

スーパーダディには朝活を薦めたいと話す髙橋さん。自身も実際に、朝ごはんを作り、さらに子供のお弁当まで毎日作っているというから驚きだ。

「朝の時間だけ頑張ればやればいいんです(笑)。女性の方が準備にも時間がかかると思うんです。だから朝はのんびりしていていいよって。朝こそ、お父さんの時間。5時に起きて、6時半に出かけるまでは子供と一緒。今は情報番組の『サンデー・ジャポン』を担当しているので、日曜は一緒に過ごせないんですけど、その分平日の1時間半は毎日一緒に過ごしています」

子供との時間の過ごし方でいえば、高橋さんはお子さんが乳幼児の頃から、子供に合わせて遊ぶのではなく、自分が好きなことに引き込みながら、一緒に楽しむスタイルを実践してきたそう。

「子供が幼少の頃から、妻と共通の趣味である音楽のイベントに一緒に行ったり、好きな画家の美術館に一緒に行ったり。会社の歓送迎会に連れて行ったりすることもありました。子どもも自分以外の大人と接することによって、社会性が身につくのかなと思います」

コツは奥さんを師匠だと思うこと。

自分や子供だけでなく、常に妻の人生についても大切に考えて行動している髙橋さん。気になる髙橋家のルールを聞いてみると、「妻の言っていることを100%実行するように努力すること」と即答。

「あるとき、僕の知り合いの芸能プロダクションのマネージャーさんにこう言われたんです。“夫婦喧嘩しちゃうよね。でも俺は悟ったんだ。妻を師匠と思えば、言ってることが超ありがたいぜ”と。妻は家族のために言ってくれているし、言われていることは、絶対に自分に抜けている部分だから、それを受け止めればいいと。“師匠に言われていると思えば、大丈夫でしょう”って。最初はよくわからなかったのですが、最近ようやくそのスタイルが一番いいかもしれないと思うようになりました。妻を師匠と思うことに(笑)。もちろん妻への不満や要望はあるけど、言われたことは一度飲み込む。言われた瞬間は納得いかないことでも、基本的に妻は間違ったことを言わないんですよね。夫が気付いてないことを言ってくれてるんだよなと」

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夫婦仲の良さの秘密を、「妻を師匠と思うこと」と高橋さん。

子どもと過ごす時間を大切にしている髙橋さんだけれど、夫婦二人の時間は?

「これも妻の提案で始まったのですが週一回、4時間夫婦で打ち合わせをします。子どもを学校に送り出して、6時半から10時半の間、家でスケジュールの確認とか、休みはどうしようかとか、家計のこととか、年末旅行したいねとか。多岐にわたり話しています。打ち合わせといったスタイルの方がなあなあにならなくていいと思います。ちゃんとした夫婦会議をやる、これも我が家のルールですかね。そして、1年に数回ですが私の友達との飲みに妻を連れて行きます。妻と共通の友達を増やすのはすごくいいこと。妻との会話が増えるんです。“あの人、会社始めるんだってよ”とか、“転勤するんだってよ”とか。知り合いがいると、二人とも親身になって話せるし。そういうことを積み重ねていたら、50歳になる時、妻の友達の旦那さんチームが僕の誕生会を開いてくれて。すごく嬉しかったです」

世界的な水準から見れば普通のこと。

髙橋さんがある日インターネットで「SUPER DADDY」と検索すると、世界中にはたくさんのスーパーダディたちが存在していることがわかったと言います。日本にはまだ少ないけれど、世界的な水準から見れば、スーパーダディは普通のことだと実感したのだそう。そして今年、それを象徴する出来事も。

「17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんのお父さんで、ジアウディン・ユスフザイさんからSDAに連絡があったんです。ジアウディンさんは、女性蔑視が根強いパキスタンで頑張って生きてきた教育者。今はイギリスに住んでいるんですけど、彼がマララさんの来日に同行することになり、スーパーダディって検索したら、日本にも面白いお父さんたちがいると見つけてくださったみたいで(笑)。SDAのダディたちと交流したいとオファーをいただいたので、交流イベントを開催しました。『スーパーダディお花塾』のように、一緒に花束を作ったりして。その時、ジアウディンさんに言われました。“女性のことを蔑視するような男性が日本にはまだまだいるんですね。先進国なのに不思議です。でもSDAのような活動をすることで少なくなっていくでしょうし、皆さんの活動は素晴らしいです”と」

世界のスーパーダディ、ジアウディンさんとの交流イベントはとても有意義な時間になったそう。SDAはこれからも日本のパパたちの意識を改革すべく、様々なイベントを予定している。

「仕事が第一と言っている、日本の男性の体質改善をできたらいいなと思います。そのための活動をやっていきたいんですが、ストレートにやるとつまらない。父ちゃんが活躍する場を作るために、パパがアウトドアを仕切れたらいいなと思って、メンバー限定ですが『スーパーダディ式アウトドア塾』を企画しています。あと『男めし塾』『スーパーダディお花塾』『父子で健脚自慢に!野人走り塾』は相変わらず続けますし、夫婦関係を見つめ直すために『フウフゲンカシンポジウム』も続けていきたいです。それと過去に2回発表してるんですけど、2017年度はプロサッカー選手大久保嘉人さん、2018年は書道家の武田双雲さんが受賞していますが、その年の一番のスーパーダディを決める『SDAアワード』も。あとはそれぞれのメンバーが発想したことで、文化会的なイベントをいろいろ企画できたらと思っています」

仕事、子育て、育児の全てをこなすように努力を続け、さらに妻の人生についてもきちんと考えている。まさに理想の夫・理想のパパ像と言えるスーパーダディな髙橋一晃さん。子供と遊ぶときは自らの好きなことに引き込む、夫婦で週一度打ち合わせをする、夫婦共通の友達を作るなど、高橋さん独自のルールは、どの夫婦にも参考になるのではないでしょうか。改めて、今後のSDAの活動にも期待していきたいですね。

スーパーダディ協会の活動が気になったらこちらをチェック!
http://superdaddyjapan.com/

また、これまで『Rethink 夫婦の時間』では、SDAのイベント「フウフゲンカシンポジウム」に潜入取材してきました。普段は聞けない夫側の意見が満載なので、ぜひご覧ください。
夫が考える、夫婦喧嘩の解決方法とは。
喧嘩する派? しない派? 夫たちの討論会に潜入!

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高橋一晃さん
NPO法人スーパーダディ協会代表として、様々な企画を発案。普段はTBSに勤務し、TVプロデューサーとして活躍。現在の担当番組は、ニュースバラエティ番組『サンデー・ジャポン』(TBS系、日曜9:54〜)など。著書に『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』(双葉社)がある。インスタグラムのアカウント(@sda_ichiko_takahashi)では、SDAの活動も発信中。

撮影・内山めぐみ 取材、文・田辺香