Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

クリエイティブに働く妻にインタビュー vol.1「やりたいことがあっても、一歩踏み出さないと何も始まらない」

Rethink Creative Contestとは、「Rethink Creator PROJECT」が行なっている作品コンテストのこと。コンテストと聞くと、経験が豊富なプロが応募する…なんてイメージが先行してしまうけれど、Rethink Creative Contestは真逆。デザイン経験がない人でも挑戦できる、アイデア重視のコンテストなのです。

コンテストは2つのテーマがあり、ひとつは自分の地元の「当たり前だと思っていたこと」や「意外と知られていないこと」、「ちょっと残念なこと」を、見方を変えて魅力的に伝える「Rethink Creator 賞」。もうひとつが、JT Rethink Projectの活動によって生み出されるちょっとした未来を、あなた自身の切り口で表現する「JT Rethink 賞」。この2つの題材を、自分らしく見つめ直して考えるのが、コンテストの大きな特徴。実際、応募する方も、デザインを専門とする人だけでなく、違う業種で働く人や、主婦の方も多いのだそう。

そこで今回は、第1シーズンのコンテストで、見事「Rethink Creator賞」の優秀賞を受賞された、働く妻である佐藤貴英子さんにインタビュー。コンテストに応募したきっかけ、作品作りをして感じたこと、これから先の未来、そして家庭と仕事の両立などを聞いてみました。

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地方で働く魅力は、地元ならではの安心感があること。

今回インタビューさせていただいた、佐藤貴英子さんは、神戸生まれ神戸育ちという、生粋の神戸っ子。そのおかげで、すぐに作品のアイデアを思いついたと振り返ります。

「Rethinkクリエイターの基本講座の神戸校に通っていたときに、このコンテストのことを知って応募したんです。神戸って、海が見えたら南、山が見えたら北って具合に、通りの先にある風景を見れば、昔から東西南北がわかると言われているんですよね。それがずっと頭にあって、コンテストに応募するならこれだ!と思いついて。アイデアはすぐに思いついたんですけど、写真についてはちょっと悩みましたね」

ポスターにある2枚の写真は、全く違う風景に見えるけれど、実は全く同じ通りで撮影。「視点が違えば、こんなにも見え方が違うんだよということを伝えたかったんですよね」と、佐藤さんは笑います。初の応募にして見事最優秀賞に選ばれ、家族からも「よかったね」と声をかけてもらえたそう。

「今は正社員で働いていて、アパレルのカタログ制作をしてるんですが、実は5年前に同じ会社を一旦辞めたことがあったんです。いろんな理由があったんですけど、そのひとつにずっとパソコンに向かってるのが嫌になったんですよね(笑)。もともと写真を撮ったり、細かな文章を考えたり、SNSにアップすることも好きで、クリエイティブなことをやりたいという気持ちがあったのかもしれないですね。途中、人材派遣会社の営業職でも働いたりしたんですけど、今はまた前と同じ会社に戻って。“何かを作りたい”という気持ちが、きっかけになりました」

また、クリエイター講座に通うきっかけのひとつに、ご主人の脱サラがある。農業を目指し、現在は研修生として勉強中というご主人。2年後には独立の予定で、ゆくゆくは家族で農業ができる土地への移住も考えている。

「農業ができる土地となると、必然的に田舎になりますよね。だから、フリーでデザインの仕事ができたらいいなと思って、受講を始めたんです。今、二人の娘は15歳と13歳。だいぶ手がかからなくなってきて、もっと子どもの手が離れたら、仕事に打ち込みたいって思うんですよね。農業って天候に左右されるので、私が一定の収入を稼いでいたいとも思うので。あと、私はもともと料理がすごく好きで、ずっと“食”とつながっていきたいんです。現代は気軽になんでも買えるけれど、その食べ物に何が入っているかはわからないですよね。せっかく主人が農業をするので、イチから食べ物を育てることを、子どもたちと一緒に経験できたらいいなと思っています。そんなイベントができる場所だったり、農業や食に関することをデザインで発信していきたいですね」

夫の助けで、仕事と家庭が両立できた。

日々の暮らしの中で多くの人が悩むことが、仕事と家庭の両立。結婚16年目となる佐藤さんに、その秘訣を聞いてみると。

「うーん、どうやってやってきたんでしょうね(笑)。がむしゃらにやってきただけですが、ただ、私のポリシーとして基本的には子どもが一番なんです。子どもを育てきるまでは、それが親の責任だと思っているので。子どもが寂しがったり、悲しくなる働き方はやめようと思っていて。このポリシーが崩れてしままわないように働こうとは思ってますね」

今はだいぶ手が離れたとはいえ、子どもを育てながら働くことは大変なこともあったはず。そんなとき、佐藤さんはどうやって立ち直していたのでしょう?

「やっぱり、主人の助けがありましたね。一緒に支え合ったからだと思います。ただ……基本的に主人に家事はやってほしくなくて(笑)。これは私の性格なんですけど、自分がサボっていると人に思われるのが嫌なんです。だから、家事はひとりでほとんどやってしまって。仕事でもそれは同じ。きちんとできていない方がイライラしてしまうから、家事ができないことの方がストレスになってしまうタイプ。でも、子どもを産むまでは真逆の性格やったんです。子どものころなんて、アホすぎて親に塾を辞めさせられたくらい(笑)。私の姉曰く、勉強してても鉛筆を持ったまますぐに寝てたって。でも、今は全然違う性格になっていて、母親になるってすごいことやなって自分でも思いますね」

現在は、電車の移動中や家事のスキマ時間に、セミナーの宿題をすることも。また、料理好きが高じて、今年の5月には初めて料理教室も開くなど、好きなことと興味のあることにとにかくまっすぐ突き進む佐藤さん。

「私、やりたいことがすごくある人間で(笑)。でも、結局は一歩踏み出さないと、何も始まらへんなって思いますね。だから、もし受講に悩んでいる人がいるなら、“とりあえずやってみたら”って伝えます。今の時代、ひとつのことだけに固執した働き方をしなくてもいいと思うんですよ。私は、農業に携わるようになってもデザインはやっていきたいし、地元の神戸ともなんらかの形でつながっていたい。例えば、神戸に仕事の拠点をひとつ残しておくとか。そんな風に、いろんなことをやってもいいと思うんです」

今回、佐藤さんがチャレンジされたRethink Creative Contestは、現在第2回シーズンの募集の真っ只中。応募の締め切りは、7月29日(月)いっぱいまで。もし、「新しいことにチャレンジしてみたい」、「クリエイティブな仕事に興味があった」と思っているなら、佐藤さんの言葉通り、一歩踏み出してみると、また自分の視点も変わるのかもしれません。

第2シーズンの応募要項はこちら。
https://rethink-creator.jp/contest/guideline.html

Rethink Creator PROJECTについてはこちらからどうぞ。
https://rethink-creator.jp/

ちなみに、佐藤さんの夫婦仲をよくするコツが、「温かいごはん。1日3回の食事で、私たちは生きている。だから、毎日感謝をして食べることを子どもにもわかってもらいたいですしね。疲れて帰ってきた夫も、おいしいものを用意して待っていたなら、その日の疲れも吹っ飛ぶのかな。帰る前に電話をくれるので、逆算して温かいものを出せるようにしています」とのこと。

愛おしそうにそう話す佐藤さんを目の当たりにして、家族や夫婦にとって食事はとても大切な要素なのだと改めて実感。最近、できあいの総菜や、外食が多くなりがちな我が家だったので……、この佐藤さんのことばを受けて、週に1回でも一緒に温かい食卓を囲もうと決意したのでした。

野村紀沙枝
ライター。暮らしまわりの記事を執筆。結婚4年目に突入。我が夫も近々転職する予定なので、佐藤さんのようにしっかり支えれるようになろうと、まずは食生活の見直しから頑張ります。