Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

Rethinkについて考えてみた。 視点を変えて考えるってどういうこと? 「Rethink Creator AWARD」受賞者に聞いてみました。

昨年末、「JT Rethink PROJECT」の一環として、未来のクリエイターを発掘するコンテストが行われたのをご存知ですか? その名も、「Rethink Creator AWARD」。

総評
ラフォーレミュージアム原宿で行われた授賞式では、特別審査員の西野亮廣氏、柳澤大輔氏、鯨本あつこ氏、平田麻莉氏の4名と、クリエイターズマッチ代表の呉京樹氏による総評も行われた。

このコンテストでは、自分が暮らす地域を考え直し新しい切り口でアピールする「Rethink Creator賞」と、吸わない人のために取り組むJT Rethink PROJECTの企業広告を作る「JT Rethink賞」の2部門で作品を募集。応募作品の総数は約400点にのぼり、お笑い芸人であり絵本作家の西野亮廣さんをはじめとする、5人の審査員によって計45点の作品が選ばれました。

JTRethink夫婦編_refine

個性豊かな作品が数多く並ぶ中、特に注目したいのが、「JT Rethink賞・ポスター部門」でグランプリを獲得したこちらの作品。老夫婦が寄り添って歩く姿と、夫から妻への思いやりが溢れたコピーが印象的です。このポスターの作者が、現在フリーランスのクリエイターとして活躍する岩橋恵理子さん。今回特別にインタビューに応えていただきました。

編集部 もともとクリエイティブな仕事をされていたのですか?

岩橋さん(以下敬称略) いいえ、全く(笑)。前職で求人広告のディレクション経験はありましたが、フリーランスになってからは一部カメラマンやコピーライターはをしていたくらいで、メインは企業向けのコンサルタントやファシリテーターをしていました。でも、自分の本当にやりたいことを考えたときに、クリエイティブな仕事がしたいと思って。そこで、webクリエイター講座を3ヶ月受講しました。とはいえ、一般的には初心者なので、企業に売り込むにも何か手土産となるものが必要で。自分の作品もなかったので、このコンテストの課題をクライアントに提案するつもりで作ってみたのが始まりです。

編集部 今回の作品で一番こだわったことは何ですか?

岩橋 まず大切にしたのは、JTが目指している世界観が伝わる作品であることですね。吸う人も吸わない人も、どちらの立場の人が見ても幸せな気持ちになれるようなものを目指しました。あと、私が作りたい世界観も盛り込むようにもしています。

編集部 その世界観って?

岩橋 大切な人を、いつもよりもちょっとだけ大事にしたくなるような気持ちですね。このポスターの半径2mに入った人が、ほっこりして、いつもより少しだけ優しい気持ちで家に帰れたらいいなと思っていました。そんな気持ちで作っていたので、創作中、作ってる私が一番幸せだったと思います(笑)。

編集部 とても素敵ですね。その優しい気持ちを表現するために、この写真を選ばれたんですね!

岩橋 はい。両手に荷物を持っている旦那さんの腕をそっと掴む奥さん。この後ろ姿に、長い年月少しずつお互いを思い合ってきたんだろうなというのが滲み出ていると感じて。夫婦だけでなく、家族や友人関係って、相手に対する思いやりの連鎖があるから成り立っているところがありますよね。その連鎖を維持することは、実は簡単ではなくて。話し合ったり、尊重したりしながら、関係そのものが変化していくものだと思うんです。だからこそ、長い繋がりのある夫婦の後ろ姿で表現しました。

編集部 ちなみに、構想からカタチになるまで、どれくらいかかりましたか?

岩橋 実はこのコンテストがあることを、締め切りの1週間前に知ったんです(笑)。たまたまSNSでコンテストを発見して、その「Rethink」というコンセプトに後押しされた感覚ですね。

編集部 「Rethink」には、当たり前を考え直すという意味がありますよね。岩橋さんが、これまで「Rethink」した経験ってありましたか?

岩橋 もともと、苦手な人がいてもどうにかその人のいいところを見つけたいと思う性格だったので、いろんな角度からモノを見るというのは好きだったんですけど、数年前に約2年間の世界一周を経験したことは、「Rethink」する習慣の大きなきっかけになりましたね。価値観の根本が違う文化や生活、考え方に触れながら生活したことで、今まで当たり前と思ってきたことが私の中で大きく変わりました。見え方が変わると世界が変わるとよく言いますが、「Rethink」の習慣から生まれる豊かさもあるなと感じています。

編集部 それが創造活動にも通じているのでしょうか?

岩橋 そうですね。例えば、今回のテーマであるタバコを吸う・吸わない人の心地いい関係も、角度を変えると色々な見方ができますよね。タバコが好きな人っておそらくずっと好き。その気持ちは否定したくはなくて。じゃあ、どんなときにその気持ちが変わるのかと考えたときに、結婚したり、子どもができたり、定年して夫婦でいる時間が増えたりと、身近にいる人を想ったときに吸い方が変わっていくのかなと思ったんです。

JTR入賞05(制作者:岩橋恵理子)
JTR入賞04(制作者:岩橋恵理子)

編集部 グランプリの作品以外にも、応募した3作全てが入賞されていますね。

岩橋 そうなんです。実は、グランプリを受賞したという連絡は事前にいただいていたのですが、表彰式の場で初めて他の作品も入賞したことを知って驚きました(笑)。今回応募した3作は、シリーズで考えていたので嬉しいですね。

編集部 今年に入って、クリエイターとして活躍され始めたそうですが、大切されていることはありますか?

岩橋 私は、前職がコンサルタント業だったこともあり、企業やそのお客様が何を望んでいるのか、どんなブランディングや表現をするとそれぞれの喜びに繋がるのかを整理して、コンセプトを決めるというところは得意な方だと思うんです。それを作品にきちんと落とし込むことを大切にしていきたいですね。クリエイティブな世界って、クライアントとのやりとりは別の担当者がいることが通例で、完全に分業制になっていることが多いんです。でも、そんな垣根を超えて、もっと近い関係で創造していけたらと考えています。

編集部 今後の作品が楽しみです! 今日はありがとうございました!

JTR賞ポスター部門グランプリ
グランプリを獲得した岩橋さん(写真右)。

岩橋さんの「いろんな角度から物事を見る」という考え方は、クリエイティブな世界だけでなく、普段の人間関係でも実践できること。例えばそれが夫婦だと、相手の嫌いな部分だけをピックアップするのではなく、いいところや好きなところまで見つめてみることで、相手を思いやる気持ちが自然と生まれていくのではないでしょうか。視点を変えて考えるという行為が、夫婦の関係を見つめ直すきっかけになってくれそうですね。

JT Rethink Project