Rethink 夫婦の時間 二人のこと、もう一度。

お金のこと、ちゃんと話そう 共働きなのに貯まらない……、
どうしたらもっと貯蓄できる?

共働きでダブルインカムだから、お金にはゆとりがあるはず。そう思っていたけれど、意外と貯まらずに悩んでいるご家庭は少なくありません。

総務省の家計調査(2017年)によると、夫だけが働いている世帯の平均年収は674万円、平均貯蓄額は1395万円。これに対して夫婦共働き世帯の平均年収は789万円、平均貯蓄額は1248万円です。夫婦共働きのほうが、年収は高いものの貯蓄額が低い結果が出ています。

共働きで忙しいと、こまめな節約によって貯めるのは難しいものです。そこで、できるだけ手間をかけずに自然と貯まる方法を試してみましょう。それが先取り貯蓄です。

「先取り貯蓄」3つの方法

先取り貯蓄とは、貯める分を先に取ってしまう方法です。お給料が入ってきたら、使う前に貯める分を先に取り分けて、残った分を使います

たとえば、財形貯蓄や社内預金など、お給料が支給される時点ですでに天引きされる貯金は最も確実で簡単にできる先取り貯蓄です。自分の手元に入金される前に強制的に貯められてしまいますし、引き出すには会社で手続きをしなければならないので、気軽に引き出さずに貯めておけるのもメリットです。

先取り貯蓄をできる方法はほかにもあります。銀行の自動積立定期預金、積立投信(投資信託)、iDeCo(イデコ)などです。

1)自動積立定期預金
自動積立定期預金は、ネット銀行を含めほとんどの銀行で取り扱っています。毎月決まった日付に、あらかじめ決めた金額が普通預金口座から積立用の定期預金口座に自動的に振り替えられます。

月々に積み立てる金額は5千円や1万円などから、1千円単位で設定できるのが一般的です。振り替えた定期預金には、満期まで定期預金の利息がつきます。銀行によって異なりますが、定期預金にすることで普通預金よりも高い利息がつくことが多いです。2018年10月現在では、普通預金の金利は年0.001%、定期預金の金利は年0.01%です。

2)投信積立
自動積立定期預金と同じしくみで、投資信託を毎月買うのが投信積立です。銀行や証券会社で扱っており、金融機関によって購入できる投資信託の銘柄(「ファンド」といいます)が異なります。

投資信託は株と同じように価格(「基準価額」といいます)の変動がありますが、自動積立ではそれに関わらずあらかじめ決めた金額分だけを買い付けます。たとえば毎月1万円なら、投資信託の基準価額(1万口あたりで表します)が1万円なら1万口買いますし、5千円なら2万口買うことになります。毎月の購入額は、金融機関によって月々1千円や1万円などから選べます。

これまでに経験がないと、投資は少しハードルが高いと感じるかもしれません。でもこのように価格の変動があるものを、予算を決めて毎月一定額ずつ買い増すことで、高値の時にたくさん買いすぎてしまうのを防ぐ効果を期待できます。元本割れするリスクもありますが、10年や20年などの長期でお金を増やす方法としては検討してもよいでしょう。現在は「つみたてNISA」という制度もあり、対象の投資信託なら、毎年40万円までの投資額に対して運用で出た利益について、最長20年間は税金がかかりません

3)iDeCo(イデコ)
老後のためのお金を貯めるならiDeCoもおすすめです。iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことで、公的年金や会社の退職金の上乗せとして、自分でお金を積み立てる制度です。

iDeCoがほかの積立と違うのは、まず口座を作ったら、その中で購入する商品を自分で選んだり、変えたりできる点です。口座は銀行や証券会社、保険会社で開設し、毎月自分で設定した金額を普通預金などから振り替えますが、そのお金で定期預金や投資信託を必ず購入するしくみになっています。購入できるラインナップは金融機関によって異なりますが、今月は定期預金を、来月は投資信託を買うようなことも可能です(変更できる回数には年間上限があります)。積立できる金額は最低5千円から。上限はお勤め先の退職金制度などによって月1.2万円から月2.3万円、自営業の人は月6.8万円までです。

税制面の優遇も大きな特徴です。値上がりや利息などの利益が非課税になるうえ、利益に関わらず積み立てたその年の所得税が軽減されます。毎月1万円積み立てて、所得税・住民税がそれぞれ10%の場合は、税額が年間2.4万円低くなります。

まずは月1千円から。始めることが肝心!

これらの方法を使って、まずは少額でもいいので夫婦で貯まるしくみを作ってみましょう。iDeCoは毎月の引き落とし日が26日(休業日の場合は翌営業日)とされていますが、自動積立は自分で設定できるところが多いです。お給料日に合わせて設定すると効果的です。

貯めるときには、確実に貯められる金額から始めるのもコツです。いきなり月5万円、10万円などとすると、やりくりがきつくなって後で引き出さざるを得なくなるかもしれません。それよりは、引き出さずに続けられる額を貯めて「貯まった」成功体験を積みましょう。すると、貯めるのがもっと楽しく、長続きするはずです。

加藤梨里
ファイナンシャルプランナー。保険会社、信託銀行、ファイナンシャルプランナー会社を経て2014年に独立。「マネーステップオフィス」を設立する。自身も4歳の女の子を育てながら働くママとして、特に共働き夫婦のライフプランへのコンサルティングには高い定評がある。